ひのきの天然効果 Natural effect ひのきの精油に含まれる「フィトンチッド」には、人の心と身体に有効な様々な「天然効果」があります。

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リラックス

ひのきの芳香には、イライラを抑えてリラックスをさせる「森林浴」効果があります。これはひのきの香りの主成分である「α-ピネン」によるものです。ひのきの香りで脳が刺激されることで、たとえ微量であっても「血圧の抑制」「脈拍の乱れの減少」「ストレスホルモンの減少」などの健康に良い効果が得られると言われます。また最近はα-ピネンの「睡眠改善」効果も注目されています。安眠できる香りとして有名なラベンダー精油と比較しても、入眠するまでの時間や睡眠効率において、α-ピネンの方が質の良い睡眠が得られる結果になったそうです。寝室やリビングなど心身を安らげたい場所でこそ、ひのきの香りで癒されたいですね。

防虫・防ダニ

生物のように動くことができないひのきにとって虫や菌は最大の敵です。こうした外敵から身を守るために、ひのきは長い年月を経て進化し、自らの免疫力を高めるに至りました。昔から「ひのきの家には虫が寄ってこない」と言われ、山間部の民家では、ひのきの葉やおがくずをムカデの忌避剤として使用する家庭もあります。また、ひのきの香りはアレルギー疾患の要因となるダニの行動を抑制することでも知られます。下表は「ひのき畳」がヤケヒョウダニの行動に及ぼす影響を調べた結果ですが、実験開始から5日目には動いているダニが見られず、ひのきの優れた「防ダニ」効果が実証されております。

参考資料:独立行政法人森林総合研究所

抗菌・抗カビ

ひのきの香りに含まれるピネン、カジノール、ヒノキオールなどのテルペン類は、木の大敵である腐朽菌を抑制するために強い抗菌作用を持っています。お寿司屋さんで鮮魚の下にひのきの葉を敷いたり、寿司下駄の素材にひのきが重宝されるのは、見た目の美しさもありますが、カビや細菌による腐敗から食品を守り、鮮度を保つ効果があるからです。また、院内感染で問題視されたMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の発育も防止すると話題になりました。ひのきの持つ抗菌性はコロナウィルスなどの未知のウィルスに対しても期待されており、各所で研究が進められています。

消臭

ひのきの精油にはその清々しい芳香で悪臭を打ち消したり、悪臭と化学反応を起こして中和する作用があります。特にトイレ・ペット・生ごみ・タバコなどの「アンモニア臭」や、体臭・加齢臭の要因となる「イソ吉草酸(きっそうさん)」や「酢酸」に効果的と言われます。また香りだけではなく「ひのきの乾燥材」は悪臭を吸着するので、精油の持つ消臭効果と併せて高い消臭力を発揮します。近年、「シックハウス症候群」などの健康被害が問題視されている中で、化学薬品を使用した芳香剤や消臭剤が見直されており、ひのきを始めとする「天然成分の香り」が注目されています。ひのきの香りはシックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドを70%近く除去するため、まさに心と健康に優しい香りと言えます。

調湿効果

ひのきは「呼吸をする木」と言われます。ただし実際に呼吸をしているわけではなく、湿度が高い時には水分を吸収し、乾燥している時には水分を放出する性質を「呼吸」に例えられます。この「呼吸」はひのきが加工された後も続き、建材に使用することでカビや乾燥を防ぐ役割を果たします。この優れた「調湿効果」を昔の日本人もよく知っておりました。「東大寺正倉院」は、ひのきを組み上げた「校倉造(あぜくらづくり)」で建てられておりますが、その調湿効果によって千年以上も湿気から大切な宝を守り続けていると言われます。

左表は「3種類の枕の素材における水分の吸放湿試験」の結果です。「ひのき枕」「そば殻枕」「パイプ枕」のうち、高湿部屋では「ひのき枕」が最も水分を吸収し、低湿部屋では「ひのき枕」が最も水分を放出したことがわかりました。ひのきの優れた調湿効果を利用することで、睡眠時の汗や湿気が枕に吸収され、寝苦しさの解消に繋がります。

参考:岐阜県生活技術研究所